シックハウス防音室の事例(お客様の声)

お客様インタビュー シックハウス対策ピアノ防音室 東京都H様

シックハウス防音対策ピアノ室東京都H様

シックハウス対策を施した建材でピアノ防音室をつくったピアニストのH様。ご主人はシックハウス対策の建築設計と建材の専門家。あまりに防音室の居心地がよくて、ほぼ1日中を過ごす部屋になったと笑うH様ご夫妻にできあがったシックハウス対策ピアノ防音室について話を聞いた。

もくじ

  1. シックハウス対策ピアノ防音室とは
  2. シックハウス対策ピアノ防音室をつくる前~ご主人による簡易防音室
  3. 完成したシックハウス対策ピアノ防音室の特徴
  4. ピアノ本来の音を楽しめるようになったのが何よりうれしい
  5. 環境スペースを選んだ理由~新しいのものは柔軟な姿勢がかかせない
  6. 環境スペースへの評価
  7. 今後の期待

シックハウス対策ピアノ防音室とは

― 今回シックハウス症候群対策のピアノ防音室を造られましたが、最初にシックハウス症候群対策防音室(以下、シックハウス防音室)とはどのようなものか教えてください。

シックハウス対策防音室は、人体に有害な物質を使用していない建材だけで造られた防音室です。

シックハウス症候群というのは、住宅由来の健康被害の総称で、住宅用建材から出る有害化学物質の影響で、倦怠感やめまい、頭痛、湿疹、のどの痛み、呼吸器疾患などの症状があらわれます。近年よく知られている知られているホルムアルデヒドもその原因物質の1つです。

H様邸のシックハウス対策ピアノ防音室
H様邸のシックハウス対策ピアノ防音室

2003年に建築基準法の中の「シックハウス法」の改正があり、ホルムアルデヒドの使用量が規制されましたが、規制の対象は1物質だけです。原因物質は1つでない上、ホルムアルデヒドの代替化学物質が使用されるようになり、いたちごっこどころか、余計に困難な状況になっています。

というのは、「この家はシックハウス法の基準を守っている健康住宅です」という宣伝で売り出された家を購入した人がシックハウス症候群にかかり、そういう方からのリフォーム相談が増えています。

食べ物の農薬等は気にするようになった私たちですが、実は、重量比で食物・飲料の4倍もの室内空気を体内に取り入れています。それだけ室内空気の有害化学物質の影響を受けるわけです。

防音室は、音漏れがしないように気密性を高めている部屋ですから、建材から揮発された有害化学物質を逃がす場がなく、呼吸に吸い込みやすくなります。過敏な人だと長い時間居続けることはできません。

― よくわかりました。ところで、H様ご夫妻についてご紹介くださいますか。

(ご主人)
私は25年ほど前からシックハウス対策の建築設計と建材を販売する仕事をしています。この住まいも入居する前にシックハウス対策を自分で施していて、そのときに簡易なシックハウス対応の防音室をつくったのですが、いつかは本格的なシックハウス対策防音室をつくりたいと考えていました。

(奥様)
私は、ピアニストの活動をメインに作曲・編曲や学生への教育活動、成人を対象とした生涯学習活動などを行っています。

ピアニストとしての活動は、ソロ演奏の他、歌手の方と一緒にファミリーコンサートなどを行ったり、コンクールで伴奏するなどのステージでピアノを弾くこととや研究創作活動ですが、コンサート活動も25年を超え、その活動の中で書きためてきた曲が時を経、経験を経て、自分の中で結実してきました。

コンサートで演奏する内容も、クラシック曲だけではなく、会場に来た方達も参加していただけるような曲や自分の作品を含んだものに変わってきています。学生へ教える内容にも変化が現れていると思います。 また、この夏には私自身の作品の楽譜を出版いたしました。

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シックハウス対策ピアノ防音室をつくる前~ご主人による簡易防音工事

― ピアニストとして長い経歴をお持ちでいらっしゃいます。以前、簡易なシックハウス対応防音室を造られたというお話でしたが、どのような経緯があったのでしょうか。

(奥様)
最初に住んでいたところは、ピアノも犬もOKのところでした。1フロアに1世帯しか入っておらずお隣さんが上下階のみということもありましたが、大きな通りに面していたので車を始めとした環境音がかなりあり、ピアノの音が打ち消されていました。当時は防音室のことは全く考えていませんでした。

(ご主人)
今居住のマンションは中古物件をリフォームする前の状態で購入しました。 ピアノ室にする予定の部屋は、入居まで時間がなかったこともあり、シックハウス対策をしてある建材を使って簡易的な防音工事をしました。このとき、ピアノ室以外の部屋のシックハウス対策も、自分の手で水処理という方法で行ったんです。(※水処理については後述)

― 今回、業者による防音工事をしようと考えたきっかけはなにかありますか。

(奥様)
先ほどお話ししたように私の音楽ステージも少しずつ変化してきて、弾きたいときに十分な練習をするためにも本格的な防音対策の必要性を感じていました。音楽仲間で自宅に防音室を備えている人も多いです。防音室の種類や工事方法、費用についても友人に聞いたり、自分で調べてもいたので、おおよそわかっていました。

シックハウス対策を施した防音室にしたのは、これまでの簡易防音室もシックハウス対策のものでしたし、 犬がいちばん床に近いところで接着剤のにおいをかいで生活することを避けたかったので、それもシックハウス防音室にする重要な理由でした。

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完成したシックハウス対策ピアノ防音室の特徴

― 完成したシックハウス対策防音室について教えてください。

このピアノ防音室は、縦長の8畳間に防音工事を施し5.8畳にしたものです。グランドピアノと電子ピアノを置いています。 開口部は、ベランダに面した一間の掃き出し窓とリビングルームに続く高さ2メートルのドアの2カ所です。

可能な限り自然の建材だけでつくりたかったのですが、やむなく2点だけ既存のものを使用しています。1点は防音ドア、もう1点は床の防振材としてのグラスウールです。しかし、それらについてもシックハウス対策を行いましたので、順にお話ししていく中でご説明します。

まず、窓です。 窓は簡易防音の時に二重窓にしていましたので、そこにもう1枚サッシ窓をプラスして3重窓にし、ガラスも通常よりも厚いもの(複層ガラス)を使用しました。窓枠は自然素材(杉の無垢材)です。

次に壁ですが、壁も簡易防音していました。簡易防音では羊毛の断熱材「ウールブレス」を吸音材として使用しました。羊毛を使用したのは断熱効果と水蒸気の吸放湿性が良いためです。今回の工事ではその簡易防音積層の上に浮き壁をつくりました。

一般的に壁には合板が使用されますが、シックハウス対策では化学接着剤で成り立っている合板は建材として使用できません。そこで、「森林再生パネル」という杉の無垢材でつくった建材を使いました。このパネルは構造用合板に比べると遮音性が低く、防音室に使った前例もありませんので、施工では防音性能を出すために随分と工夫していただいたと思います。

天井は簡易防音したときに二重貼りにしていましたが、今回はそれを撤去し防音構造の浮天井に変更しました。

床ですが、「ウールブレス」には防振材として使用できるだけの堅さがないのでここにはグラスウールを使用しました。このグラスウールは完全に閉じ込めている空間に使用しているので、シックハウス対策上は問題ありません。 その上に先程の「森林再生パネル」を敷き込み5ミリのコルクを二重に敷きましたが、これは特殊なものではなく一般に売られているものです。下にはフェルト状のコルクを敷き、上に敷いたコルクタイルは表面をひまわりオイルという自然素材で塗装したものです。また接着剤として全て膠(にかわ)を使用しました。膠(にかわ)はお湯で溶かしながら使用していくため、職人さんは手間がかかったと思います。

最後に入り口の防音ドアですが、これは一般の防音ドアを使用し、水処理でシックハウス対策を施しました。 防音ドアの既製品にはシックハウス対策をされたものがなく、オーダー製作はできますが、無垢材でつくったものがどのくらいの防音性能を出せるのか、実例がないため、また、予算の問題もあり、今回はこのような方法を採りました。

― 水処理について詳しく教えてください。

水処理は有害化学物質(メインはホルムアルデヒド)を低減させるものです。水とは言っていますが、特別に開発された水を専用の噴霧器で目に見えるかどうかの細かい粒子にして吹きつけます。そうして建材にその水を含浸させて、有害化学物質を揮発させた後、固定化します。この工程は全部で3回行います。

シックハウス対策専門家のH氏
水処理でかなり分解できます
シックハウス対策専門家のH氏

1回目:水を吹き付け、含まれている化学物質(メインはホルムアルデヒド)を分解し、建材の表面から出します。噴霧したあとの部屋にはマスクなしには入れないくらいの量が出てきますので、それを窓を開けて屋外に飛ばします。

2回目:1回目と同じことを繰り返します。

3回目・ここまでの過程を経ても有害化学物質を完全に出すことはできませんので、残っている有害化学物質が空気中に出にくくなるように固定化する水を最後に噴霧します。

勿論、この処理はあくまで対処方法ですので、元々、有害化学物質建材を使用しないことが重要です。

水処理を施した防音室入口の二重ドア
水処理を施した防音室入口の二重ドア

― 吸音についてはいかがですか。

天井の岩綿吸音盤素材と壁の中の吸音材以外には特に設置していません。今は布を1枚垂らしているくらいです。キルティングのカバーを垂らしてみたりもしましたが、なくても変わらないと考えて外したり、いろいろ試してみています。

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ピアノ本来の音を楽しめるようになったのが何よりうれしい

― シックハウス対策済みのピアノ防音室が完成し、変化はありましたか。

夜遅くまで練習ができるようになったこと、思いっきり弾けるようになったことがうれしいです。 これまでは簡易防音だったので夜はなるべく弾かず、まれに弾くことはあっても響かない曲を選んでいました。昼間に練習時間を集中させ、昼の外出時間を減らすなどして調整していました。

完全防音室ができたおかげで、今は夜遅く帰宅しても練習できますから、自由に外出することができます。 周りへの音漏れも気にしないで済むので、弾き方の強さもセーブしないで済むようになりました。

ご近所からも、ほとんど聞こえないと言われています。 下の階にもお隣にも全然聞こえないそうです ベランダに出るとピアノの音が少し聞こえます。しかし、お隣までは聞こえないそうです。

そして、ピアノの下になにも置かなくなったのでピアノ本来の音がしています。 以前は吸音効果を考えて、いろんなものをピアノの下に置いていました。 音楽仲間で話していると、私だけでなく、他の方もみんなそうなんですよ。

しかし、吸音ということは響かせないことですから、響かないピアノでf(フォルテ)を出そうと思うと、どうしても鍵盤を必要以上に叩こうとしてしまうんです。そんな風に叩かなくても、今はピアノ本来の音がするので、演奏がとても楽になりました。 ちゃんとピアノ本来の音がするので、音が伸びやかになり響きを十分に楽しめるようになりました。環境って大事だなと改めて思いましたね。

― そんなに違うものですか。

(奥様)違います。

(ご主人)この防音室が気に入ったようで、1日中この部屋で過ごしていますね。

ピアニスト H様
「この防音室でピアノ本来の音を聴いて今までなにしてたんだろって笑ってしまいました」 ピアニスト H様

(奥様) そう。練習していないときでも、飽きないくらい心地がいいんです。すごく満足しています。 ここで横になったりもしているんです。 もし、普通の、シックハウス対策をしない防音室だったら、とても長時間は居られないと思います。

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環境スペースを選んだ理由~新しいものを造るには柔軟な姿勢が必要

― 今回の工事を依頼する業者はどのように選定されましたか。

(奥様)
私たち音楽仲間の中では有名どころがいくつかあって、みんな誰かの紹介で業者選びをすることが多いのですが、私は主人が仕事の関係で存じ上げていた環境スペースさんにお願いしました。

防音工事を決めたのは2月初めでした。環境スペースさんにこちらの状況や希望などを書いたメールを送ったら、すぐに営業の方から返信があって、あっという間に話が進んでいきました。

(ご主人)
私はシックハウス対策設計と建材を扱ってきた経験からの判断で環境スペースさんを選びました。今回造っていただいたのはシックハウス対策を施した防音室ですが、これまで世の中になかったものを創ろううとするときには、柔軟な考え方ができる会社でないと実現が難しいんです。

これまで、シックハウス対策建材を広めていこうと様々な会社にお話をしてきました。既にお持ちの方法論から外れるものは門前払いされるケースが多いです。自然素材だけを使用してものを造るのはかなり手間がかかりますので、経営的には受け入れがたいのかもしれません。

今の世の中には「自然素材」とうたわれたものがたくさん流通していますが、表面だけでなく中の方も自然素材にしないと意味がなく、そこまで対応していただける会社はなかなかありません。 環境スペースは、その点で柔軟に、臨機応変に対応してくれると会社であるという印象を持っていました。 実際に今回つくっていただいて、その通りだったと思ってます。

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環境スペースへの評価

― 今回は前例のない工事を発注されました。完成した今、環境スペースに対する感想をお聞かせください。

この度は森林再生パネルの利用や接着剤も膠(にかわ)を使用していただくなど、前例のない建材を使って防音室をつくっていただきました。施工ではたくさんの工夫をしていただき、ご苦労していただいたと思います。

こちらとしても、なにぶん面倒なことをお願いしている認識がありましたので気にかけていました。職人さんは普段は膠など扱うことはないと思いますが、慣れたもの以外を扱うことの面倒さをいといもせずに黙々と変わりなくやってくれていました。なんでも、膠の扱い方を勉強してきてくれたそうです。

実際に住みながらの工事でしたが、養生もちゃんとやってくださったので、その点も本当に安心でした。

天井も一時は2メートルを切るかもということで非常に心配していましたが、 完成してみたら2メートル15センチを確保できていました。この点でも様々な検討をしていただいたと思います。感謝しています。

防音室
215cmの高さを確保した防音室

― 天井はどうやって高さを確保できたのでしょうか。

天井自体は高さが厳しいつくりでした。そこで、床の工法を従来の工法と変えて高さを確保してくれたそうです。

一般的にはバンキョウいう防振材を使用するケースが多いそうですが、その方法だと床面が高くなってしまうので、前述したように防振材としてグラスウールを敷く方法を採用することで床の高さを抑えることができました。

― 防音室工事の間、ピアノはどうされたんですか。

倉庫に預けることもできたんですが、マンションなのでクレーンを頼んで出す必要がありました。それでは大変なので、たたんで家の中で保管しました。調律師さんにも「3週間くらいならたたんでもピアノ本体(フレーム等)にゆがみ等は生じないだろう」と言っていただいて、専門業者に依頼し、脚を外し、布団でくるんでもらって。言葉通り、防音室完成後に組み立て直した時に、なんと音の狂いはほとんどありませんでした。

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今後の期待

― これから防音室をつくる方に体験者としてアドバイスがあればお願いします

(奥様)
今回防音室をつくってみて改めてわかったことは、業者さんを決めるときに横並びに価格だけを比較していては意味がないということでした。 つくる前、防音室について調べていた時に環境スペースは高いというコメントを他の方のブログなどで目にしました。納得のいく防音室をつくるために、なぜ安いのか、なぜ高いのかの理由も比べてほしいと思います。

また、環境スペースにもリクエストがあります。 防音室をつくっていただいて本当によかったと思っています。「環境スペースの防音室はこんなにいいんですよ」と皆さんに伝えたいのですが、なかなか伝えるのが難しくて。

そこで環境スペースにお願いしたいのは、ホームページでもっと知りたいことを伝えてほしいということです。 工期の長さを例に取ると、出来合いの防音室を部屋の中に設置する方式に比べたら、オーダー防音室は工期が長くなります。 でも、ホームページを見ている側には工期が長い理由が伝わりません。

今回は住みながら工事が進んでいくのを側で拝見していましたので、職人さんがこんなに丁寧に仕事をしてくださるのであれば工期がかかるのも当然だと納得できました。なぜ長い工期が必要なのかを、ホームページでわかりやすく書いてくださると親切だと思いました。

この先、シックハウス対策を施した吸音パネルをお願いするかもしれません。そのときにはよろしくお願いします。 この度はすばらしい防音室をありがとうございました。


※ 取材日時:2014年7月

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